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超並列化したNeoGRRMで、BCNOSの新しい探索結果が得られました。↓
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Direct Reppe Reaction of C6H6
Explored by GRRM

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上図は Google Chrome, IE11以降 でご覧下さい。
アセチレン3分子からベンゼンが合成されることは、 高校の教科書にも書かれてていて大変重要ですが、 この反応が無触媒でも起こることは、量子化学探索を 自動的に行うGRRMプログラムによって初めて明らかにされました。

GRRMで拓く化学の世界 (更新:2021/07/21 13:00)

  
                         上の図をクリックすると拡大されます。

化学の世界の可能性・発展性???

・人類がみつけた物質の種類は、すでに1億5千万種類に達していますが、それらの既知物質とは比べ物
 にならないぐらい多数の未知物質が、未だ発見・発掘・合成されず、大量に眠ったままになっています。
・つまり、化学の世界には、ほぼ無限の可能性・発展性があります。

化学の可能性の予言・予測???

・特定の化学組成の物質が存在するためには、原子の集団のポテンシャルエネルギーが、原子の空間的
 配列の変化に対し極小値をもち、熱や光などの刺激を加えない限り、その極小点付近の構造に留まっ
 て壊れてしまわないことが必要です。
・量子力学誕生直後の1929年に「化学の問題の理論的解明の基礎はできたが式が複雑すぎて解けない」
 とポール・ディラックが述べています。でも、1990年代には、ジョン・ポープルやピーター・コーン
 らの計算法と電子計算機の進歩によって、理論化学計算は日常的に行われるようになりました。それ
 でも、理論計算で未知の化学を調べることは、原子数が3を超えるとほとんど不可能だと、1999年に
 出版された計算化学の国際的テキストに書かれています(フランク・ジェンセン著Introduction 
 to Computational Chemistry 初版)。
・このような解決不可能とさえ思われた計算化学の超難問を解決したのがGRRMです。
・2003年に誕生したGRRMプログラムによって、4原子以上の原子集団が演じる化学の世界を量子力
 学に基づいて理論的に自動探索することができるようになりました。

GRRMが拓いた新技術

・(1)GRRMは、探索の基本技術を革新し飛躍的に高速化しました。
 例えば、反応物と生成物の2点間のTSを探索する技術として、GRRMの誕生以前から、String法(SM)、
 Glowing string(GS)法、Nudged Elastic Band(NEB)法等があり今でも世界中で使われています
 が、GRRM(ADDF法)は、計算量がSM,GS,NEBの数分の1ないし10分の1程度に少なく、しかも高精度で
 あることが確認されています(Chem.Phys.Lett. 404, 95 (2005))。
 GRRM17に搭載されたSC-AFIR法でも、計算量がNEB法の1/5程度に少ないことが、確認されています。

・(2)GRRMは、従来の方法ではまったく不可能であった大域的自動探索を可能にしました。
 2003年に誕生したADDF法、そして、最近発展しているAFIR法では、まったく予備知識なしに、個々の
 化学式について、大域的な反応経路探索を自動的に行うことができます。他の手法、Kick法やSEGO法
 等で、大量に化学構造や反応経路が調べられると発表されていますが、GRRMで行った結果と比べると、
 かなり貧弱なものでしかありません。このほか、Stochastic surface walk(SSW)法やMD法なども、
 未知の構造や反応が探索できるとしていますがGRRMと比べると非常に狭い範囲しか探索できていません。

・GRRMは、従来からの基本技術を何倍も高速化し、更に、従来不能だった大域的自動探索を実現しました。

GRRMで見る化学の世界

・GRRMプログラムによって、未知の化学が切り拓かれ始めています。GRRM-GDSPを用いると、GRRM
 プログラムで探索された化学の世界を、可視化して閲覧することができます。以下のリンクをクリッ
 クすると、GRRMで探索された化学の世界がどんなものか、少しだけですが、ご覧いただけます。
・ Chemical Adventure(世界初の5原子系H2CO2のGRRMの解説:PDF 1.38MB)
  注:PDFをダウンロードしてPC上でPDFを開き、解説中のリンクをクリックしてWebブラウザを開
  くようにすると、PDFの解説を読みながらブラウザ上で可視化された化学の世界が楽しめます。
・ Movie 1 (化学反応の最前線・立体反応メカニズム:7例)
・ Movie 2 (化学反応の最前線・立体反応メカニズム:14例)
・ Movie 3 (化学反応の最前線・立体反応メカニズム:14例)

GRRM-GDSP

 GRRM-GDSPは、GRRMプログラムの探索結果を可視化するツールです。

 最新版(2018年7月改訂)の説明書とファイル一式が、以下のリンクから、ダウンロードできます。

  GRRM-GDSP説明書(PDF) (451 KB)

  GRRM-GDSP(ファイル一式)(Zip) (580 KB)

 GRRM探索結果への適用例

 ・ H2CO2	EQ14  TS46
 ・ BCNOS	EQ123 TS441
 ・ H6C2O2	EQ122 TS775
 ・ H3CNO3	EQ676 TS5181
 ・ H12C6O6 AlphaDGlucose	EQ304 TS434
 ・ H2O_8	EQ19236 

化学の世界をのぞいてみよう

 下のメニューをクリックすると、新しいブラウザに、それぞれの化学式の構造が表示されます。
 (ブラウザによって図がうまく表示されない場合があります。IEは、11以降をご利用ください)

 ・BCNOS  5種類の原子がつくる分子? どんな分子が出てくるか予想すると面白い

 ・H3CNO3  様々な化合物と立体配座が出てきます どんな化合物が出てくるか予想すると面白い

 ・C6H6  C6H6にはベンゼン以外にどんな構造が可能か? 予想すると面白い 

 ・H12C6O6 Alpha-D-Glucose  微妙に水素結合し、OH基の向きがいろいろ 

 ・(H2O)12 水分子12量体  2重サイコロ型や6角柱型などいろいろ

 左ボタンで画面をドラグすることで、立体的な形を、いろいろな方向から、ながめられます。
 右ボタンで画面をドラグすることで、拡大・縮小することもできます。
 画面下の[Back]や[Next]で次の図に移動できます。
 画面下中央の{AUTO]を押すと5秒ごとに次の図に自動更新され、「STOP]を押すと停止します。

 一番安定なEQ0から順に表示されます。
 原子の種類(H:白 C:灰 O:赤 N:青 S:黄 B:桃 などの色で表示されます))、

 (メニューは、順次、拡充されます)