左:化学構造EQは峠のようなTSを経て反応経路IRCで繋がっています。これを予備知識なしに量子力学に 基づく理論計算で自動的に暴きだすことは従来の方法では全く不可能でしたが、2004年に発表された 超球面探索(SHS)法によってこれが可能になりました。 右:SHS法を用いてH4C2O2の反応経路を自動探索した結果、一酸化炭素COがメタノールCH3OHに触媒なしに 結合する反応ルートがみつかりました。COのCがメタノールのOにくっつくと同時にメチル基が隣にジ ャンプして化学産業で非常に重要な酢酸CH3COOHが一気にできあがっています。 New !→ 2013年2月に 量子化学探索研究所 が新設されました。
[ grrm Symposium ] [ grrm News ] [ 反応経路探索 論文リスト ] [ 反応経路探索 学術講演リスト ] 地球シミュレータに使用される世界最高速のコンピュータを何百億年も動かし続けても全く不可能であ った化学反応経路の理論的全面探索が、可能になる新しい方法がみつかりました。ポテンシャル表面上 の「非調和下方歪み」が、化学反応が進む方向を教えてくれる「羅針盤」の働きをすることがわかった のです。これは「化学反応の量子原理」とよぶことのできる、基本原理です。 この発見によって、原子や分子から、どのような化合物が、どのようにして生まれるか、またさらに、 ある化合物から別の化合物へとどのようにして変わって行くか、これまで謎であったことを次々と明 らかにし「化学反応の世界地図」を描き出すことが可能になりました。化学反応の量子原理の発見に よって、未知の化学の世界への扉が大きく開かれ、これからの化学が益々楽しみになりました。 私たちは、かけがえのない地球環境をまもりつつ、人類の夢を追求していかなくてはなりません。その ためには、資源を無駄にせず環境を破壊するものは作り出さない、そうした環境調和型の合成反応を追 求し、これまでのものに代替して利用するようにしていくことが望まれます。つまりは、究極の元素戦 略にしたがって完璧なアトムエコノミー(原子をまった無駄にしないこと)を実現しなくてはなりませ ん。そのような反応をみつけだすことは、経験に基づく実験化学やこれまでの理論化学では、非常に難 しい課題でした。化学反応の量子原理に基づけば、これを理論的に探索することをコンピュータに任せ て自動的に行うことができます。人類が抱える化学の諸問題の解決にも、新たに発見されたアルゴリズ ムとそれを搭載したプログラムが、大いに役立つと期待されます。 化学反応の量子原理に基づいて開発された反応経路の超球面探索法SHSとそれを搭載したプログラム GRRMは、他の手法では不可能なことを次々と実現しています。不斉触媒をはじめとする触媒開発 やアミノ酸のD−L変換機構の解明など、未知の化学の扉を拓き始めました。SHS/GRRMは、 世界中の追随を許さない新アルゴリズム満載の手法として「世界標準」へ向けて発展を続けています。 ※計算化学の国際的テキスト「Introduction to Computational Chemistry:第2版」Frank Jensen著 (2007)p396に、反応経路を全面的に探査することのできる手法として、紹介されています。
反応経路自動探索プログラム GRRM GRRM11 概要解説ポスター(PDF 1.8 MB) GRRM11 利用方法解説(PDF 188 KB) GRRM1.22 化学の世界の羅針盤・超球面探索法 GRRM1.22 適用例・プログラム概要・利用申込方法 GRRM1.00パンフレット(PDF 1.3 MB) 上のパンフレットには、GRRMプログラムの概要(GRRM1.00 2007年2月20日版)が記されています。 GRRMプログラムはその後、さらに機能が増強され、GRRM1.22(上のリンク参照)が、 「普及用モニター版」として研究教育用にリリースされています。 当初は、Gaussian03専用でしたが、現在は、入出力データ変換プログラムをユーザ自身で用意すれば、 MolproやGamessでも利用できます(Gaussain09は変換プログラムなしでGaussian03同様利用できます)。 化学構造に対し、エネルギー値を与えるプログラムがあれば、何にでも適用可能です。 ・研究教育機関等、アカデミックな組織に所属され、論文発表・学会発表等の学術研究活動を行っている 場合、ユーザ登録を行えば、「普及用モニター版」が登録者専用でご利用いただけます。 ・企業等、アカデミックな組織以外に所属される場合は、共同研究・研究開発支援など、なんらかの方法 でGRRMプログラムの発展を応援していただくことが必要となります。 ・「普及用モニター版」には機能が搭載されていない2009年以降に研究開発された新手法や、特殊な取り 扱いを行うことができる「開発者版」は、共同研究や研究支援など開発者と密接な協力関係をもつ場合 に限り利用可能となります。 ・GRRMは、未知の化学情報を取り出す「打出の小槌」です。 未知の化学情報は、どんなんに優れた「既知情報検索システム」を用いても絶対に得ることができません。 ・GRRMを用いると、化学的に重要な未知情報を効率的に調べることができます。 すべてを網羅するには時間がかかりますが、全面探索の数十分の一の時間で、 重要な構造の大半を調べ上げる「裏技」がGRRMに搭載されています。 → 「研究報告:化学反応経路探索の効率化」 2011年11月1日より、開発者版に搭載されている機能の大半(AFIR・非調和振動解析を除く)を 利用することのできるGRRM 11が、アカデミックユーザ用にリリースされました。 ・GRRM 11には、普及用モニター版にはなかった、並列探索機能が加わり、多数のコアを利用できる計算 環境では、多数の安定構造EQや遷移構造TSの大域的な全面探索の効率が飛躍的に向上しました。 ・このほか励起状態の円錐交差の探索機能が加わって光化学過程の解析・予測機能が飛躍的に向上し、 さらにMicroIteration機能により、QM/MM計算に基づく探索の精度と効率が飛躍的に向上しました。 ・東北大学サイバーサイエンスセンターに反応経路自動探索プログラムGRRM11が公開されました。 ・自然科学研究機構岡崎共通研究施設計算科学研究センターhttps://ccportal.ims.ac.jp/でもGRRM11が 公開されます。上記いずれのセンターも、アカデミックな研究のため利用登録されている方限定です。 詳しい利用資格については、それぞれのセンターにお問い合わせください。 GRRMプログラムのご利用を希望される方は、当ページ末尾連絡用電子メールアドレスにお問い合わせ下さい。 2012.9.21-22 シンポジウム:反応経路探索のニューフロンティア2012 2011.9.23-24 シンポジウム:反応経路探索のニューフロンティア2011 2010.9.13 シンポジウム:反応経路探索のニューフロンティア2010 2009.9.24-25 シンポジウム:反応経路探索のニューフロンティア2009 GRRM_News_006 GRRM_News_005 GRRM_News_004 GRRM_News_003 GRRM_News_002 GRRM_News_001