© Koichi OHNO Reaction(IRC) Channels Explored by the GRRM−GDSP Program[ TOP ] [ NEXT ] [ HOME ]
これは、分子内プロトンリレー反応です。ケテンH2CCOの末端にあるH原子の1つが 隣から隣へと見事に受け渡されて、ヒドロキシアセチレンHCCOHに「変身」します。 このプロトンリレーは、ケテン分子の平面内で起きています。ケテンの端のCH2基 の横揺れが、このリレーの引き金になっています。途中に中間体があるのではなく、 one-stepの反応素過程であることも注目に値します。 リレーの最中の中心軸CCOは、Hを渡しやすくするため、ほんの少しだけ折れ曲がり ますが、ほとんどまっすぐな「姿勢」を保っていることも注目されます。 逆向きには、端のOH基が内側への折れ曲がりを強めることが引き金になってプロト ンリレーが開始され、最後に端のCHが軸上から押し曲げられて、ケテンができます。