GRRM 1.00の適用例

同一化学組成のグローバル反応経路マップ(化学の世界地図)の作成

  化学反応の量子原理に基づいてポテンシャルの非調和下方歪み(ADD)をトレースする世界初のアルゴリズムで、グローバルな反応経路を芋づる式に自動探索します。

  同一化学組成をもつ異性体を自動的に探索します。

  異性体どうしの反応経路を自動的に探索します。

  解離反応経路・合成反応経路を自動的に探索します。

具体例: 「CH3NOのグローバル反応経路マップ」

  新しい燃焼反応経路が発見されました!

  この例に限らず、GRRM 1.00を用いて、グローバル反応経路マップを自動探索することにより、これまでの化学の常識を超えた反応経路が見つかる可能性があります。

  GRRM 1.00は、化学反応のネットワークからなる「化学の世界地図」を、各化学式ごとに作成するためのデータを自動的に求めます(実際の図を作るには作図ソフトが必要です)。

 

 

 

 

 

Atom Economyを完璧に達成する省資源・環境対応反応の設計

  目的とする化合物を得るのに余分な副産物を生じないようにして原料を無駄にしないことを、Atom Economyといいます。

  GRRM 1.00を用いると、原料を過不足なく使って副産物を全く生じない合成経路を設計でき、完璧なAtom Economyを達成することができます。

  目的の化合物を複数の分子から過不足なく組み立てる反応の設計は、宇宙や地上における分子進化(例えば、アミノ酸分子誕生の謎)の解明にも役立ちます。

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 



 

 

 

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テキスト ボックス: 多段階反応中間体の探索と反応経路の設計・解明
●	GRRM 1.00を用いると、何段も経ないと結びつかない異性体間の多段反応経路と中間体を見つけ出すことができます。
●	上の例は、環状のC20クラスターと籠状のC20フラーレンを結ぶ反応経路です。

 

 

 

 

 

 

 

テキスト ボックス: GRRM 1.00は、HΨ=EΨを量子化学計算法で解いて得られるエネルギー値を用いて、化学反応経路をコンピュータで自動的系統的に探索する世界初のSHSアルゴリズムを搭載したプログラムです。

GRRM 1.00は、化学反応経路を自動探索し、化学の基本問題に挑みます。
★ 異性体を調べる
★ 合成経路を調べる
★ 分解経路を調べる

GRRM 1.00は、化学反応のネットワークを解明し、未知の化学の世界を拓きます。
○ 化学反応世界地図の作成
○ 新化合物・新反応の設計
○ 省資源・省エネ 化学反応の設計
○ 触媒作用の解明と新触媒の開発

GRRM 1.00は、以下の機能をもつ画期的なポテンシャル表面解析プログラムです。
●基準振動解析 平衡点に限らず、任意の構造で基準振動計算ができます。Optionで、エンタルピーやギブスエネルギーも計算できます。
●平衡構造の最適化 SIRFO法とBFGS法で平衡点の構造最適化を行います。
●遷移構造の最適化 SIRFO法とBofillの方法で遷移構造の最適化を行います。
●IRCの追跡 PageとMcIverの方法でIRCをトレースします。
●GRRMの探索 同じ化学式のポテンシャルエネルギー表面について、グローバル反応経路マップ(GRRM)の探索を自動的に行います。1つの平衡構造(異性体)から出発し、SHS法で解離や異性化の経路を自動的に検出し、化学反応経路の世界地図に相当するGRRMの探索を行います。Optionで、1つの構造の周りに限定した反応経路探索もできます。
●1ステップTS探索 特定の反応物と生成物の間の1ステップの反応経路の遷移構造(TS)を求めます。初期推定操作を含まずに自動的かつ効率的に探索でき、広く使われているNEB法などより高速で適応性も高くなっています。
●	反応中間体探索 2つの異性体の間を繋ぐ中間体を見つけ出します。SHS法を超球面縮小モードで用いることによって、常識を超え、数十段にも及ぶ多段階反応の反応経路探索をも実現することができます。

GRRM 1.00の動作環境とプログラムパッケージ
GRRM 1.00は、Gaussian03で計算されるエネルギー値を利用します。
GRRM 1.00には、32bit版と64bit版があり、Linux/Unix環境で利用できます。
GRRM 1.00を、
研究教育にご利用になりたい方は、下記宛、電子メールでお申し込みください。 ohnok@m.tohoku.ac.jp
 GRRM 1.00のさらに詳しい情報については、下記のホームページをご参照ください。
http://grrm.chem.tohoku.ac.jp/GRRM.HTM